しがない若者の人生終了日記

遺書代わりに日記を書いています。

公務員試験で考える8050問題

8050問題というのは、80の親と50の引きこもりの子供が社会から孤立してしまう現象を指します。川崎や練馬の事件で注目されている概念です。

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8050問題の難しいところは、50の引きこもりを雇う企業はない、もしくは余程のブラック企業であるということです。日本の雇用制度では、年齢を問う場合には職歴を問うことが出来ず、職歴を問う場合には年齢を問うことが出来ません。一方、逆に年齢か職歴かどっちかは問うことができ、したがって、若くもないし職歴もないという人については雇わない自由があります。

これを具体的に特別区の公務員試験で見ていきます。特別区公務員試験は大きく1類(大卒程度)、3類(高卒程度)、経験者採用、障害者採用の4つがあります。新方式試験や保育士の2類試験などもありますが、概ね1類試験に準ずるのでとりあえずこの4つを考えることとします。

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1類試験と3類試験は年齢が受験資格になっている試験です。採用時年齢が3類の場合18~21、1類の場合22~31の人が受験することが出来ます。3類は高卒、短大専門卒向けの試験であり、1類は大卒、院卒、既卒、第二新卒向けの試験であるといえます。

経験者採用試験は職歴が受験資格になっている試験です。一番要件の軽い1級職で、「直近10年中4年以上、単一の企業や団体などで週29時間以上勤務していたことがある」ということが受験資格となっています。

以上2つを組み合わせると、「32以上で直近10年間のうち6年より長い期間働いてない人は特別区の受験資格がない」ということになります。「32以上で直近10年のうち空白が6年より長い」というのは体感的にもかなり危ない状態ですが、公務員試験という平等・公平を是とする採用試験ですら門前払いされてしまうのです。

ここで障害者採用試験というものがあります。年齢は18以上、職歴不問、障害者手帳を所持していることが受験資格となります。8050問題に出てくるような引きこもりの場合、何らかの形で精神障害を抱えていると言えるので、適切に精神科や心療内科に通えば精神障害者手帳は交付されるのではなかろうかと思います。一方で、これらの人々が公務員試験の筆記試験に耐えうるか、面接試験で適切に受け答えが出来るか、週5日フルタイムの勤務に耐えうるかというのは疑問点となります。とりわけ、面接試験では経歴面で問題の小さい身体障害者と枠を取り合うことになるので、殊更不利です。

中高年引きこもりは平等・公平である公務員試験ですら活路を見出せないということが分かったかと思います。従前、中高年引きこもりというのはなかったことにされていました。しかし、それでは治安面で不安が残るということが昨今の事件で証明されました。これらの人々を完全に社会のレール上に戻すのは無理でも、少しでもまともな暮らしが出来るようにならないのかなと思うものです。